未来の宙

ご覧頂きありがとうございます。SQUARE SORAは、非営利活動のグループです。宇宙最先端研究の科学者たちや、ベンチャー企業の技術開発者たちなどから学ぶこと、知ること、また倫理的な視座で地球について多くの人と考えていきます。 

地球の平和、安全のために

この未来の宙では、現在 地球の平和、安全のために宇宙の監視、宇宙技術開発に係わる研究、企業についての紹介です。
                 1.地球の周りの宇宙を監視
                 2.超小型衛星キューブサット
                 3.「スペースデブリの清掃取り組み」宇宙ベンチャー企業

1.地球の周りの宇宙を監視

衝突を防ぐことを目的として地球近傍のデブリ等を観測する活動は宇宙状況認識(SSA)と呼ばれている。

美星スペースガードセンター(BSGC)

美星スペースガードセンターは、岡山県井原市美星町に位置する宇宙施設で、スペースデブリや地球近傍小惑星を光学望遠鏡を使って観測する役割を果たしている。この施設は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運営しており、世界初のデブリ観測を目的として設計された施設。

上斎原スペースガードセンター(かみさいばらスペースガードセンター)は、岡山県鏡野町に位置する施設で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運営されている。このセンターは特にスペースデブリ(宇宙ごみ)の観測に力を入れており、最先端のレーダー技術が特徴。

主な特徴

  • 設立と運営: 2004年に設立され、2017年にJAXAへ移管された。
  • 観測能力の進化: 2023年にレーダーがアップグレードされ、高度約650kmで直径10cmの物体まで観測可能。
  • 観測高度: 主に200~1,000kmの低軌道をターゲットとし、最大3,000kmまで観測可能。
  • 対象物: 一度に最大30の物体を観測できる性能があり 最大3,000kmまで観測可能。

特定非営利活動法人日本スペースガード協会

地球に接近する天体を探索する専門の観測施設とし美星スペースガードセンターが設立、その2001年以後に同協会が観測活動を行っている 。


追跡ネットワーク技術センターでは、岡山県にあるレーダー(写真左)と光学望遠鏡(同右)により地球近傍のスペースデブリの観測を行い軌道を計算。JAXAの人工衛星への接近状況や大きなスペースデブリの大気圏再突入時期の解析を行っている。 JAXAスペースデブリを、観る!より

2.超小型人工衛星「キューブサット」


新たな人工衛星のフォーム

地球の周りを飛んでいる人工衛星は、わたしたちの生活を豊かにしてくれています。たとえば、天気予報、インターネット通信などです。 一般的な人工衛星は数メートルもある大きさで、重さも数トンもありますが、キューブサットと呼ばれる10㎝立方の超小型人工衛星は、大人の手のひらに乗る大きさで、1㎏ほどの重さです。費用は安く作れるようになりました。そして日本では大型衛星打上ロケットに積み込み、宇宙ステーションまで運ばれて、「きぼう」日本実験棟から宇宙へ放たれる方法で何度も打ち上げられていて、各キューブサットは役割を果たします。 

世界初の木造人工衛星リグノサット(LignoSat)は、2025年3月まで京都大学の総合生存学館特定教授として在籍されていた宇宙飛行士の土井隆雄先生の宇宙環境における木材の可能性を探るプロジェクトです。この衛星は、日本の伝統技術を活かし、ホオノキ材を使用した精密な構造が特徴。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や京都大学、住友林業との共同プロジェクトとして開発が進められ、宇宙での持続可能な材料活用が模索されています。

リグノサット(LignoSat)の第1回目の打ち上げは、2024年11月5日に成功。この木造人工衛星は、スペースX社のロケット「SpX-31」に搭載され、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。この後、国際宇宙ステーション(ISS)に届けられ、約1か月後に宇宙空間に放出される計画が実施されましたが、アンテナトラブルで正しく展開しなかった可能性があり、2027年2号機はアンテナを内部に組み込むことでトラブルを回避する構造が検討されています。 

木造人工衛星リグノサット(LignoSat)のユニークな点は、燃え尽きる際に金属衛星と異なり、二酸化炭素と水だけが生成されるため、環境負荷が少ないことです。この技術が広がれば、スペースデブリ問題や環境保護に貢献できる可能性も秘められています。

2025年9月現在、住友林業のTVコマーシャルでは、優雅に宇宙に飛び立つ     リグノサット(LignoSat)が放映されています。


 3.「スペースデブリの清掃取り組み」 

       宇宙ベンチャー企業たち


宇宙ベンチャービジネスでは スペースデブリ対策に取り組む会社があり、実用に向けて様々なアイデアを技術化しています。


*株式会社 BULL

PMD(Post Mission Disposal)装置 宇宙機に事前に搭載され、ミッション終了後に展開されるテザー(紐状の構造物)を使って、地球磁場や大気抵抗を利用して軌道を離脱させます。これにより、宇宙機は大気圏に突入し、焼却されることでスペースデブリ化を防止します。また、大気圏に金属などの残留物を残さず、環境負荷を最小限に抑えることが可能。

JAXAとの共同実証: BULLはJAXAと連携し、小型ロケットや衛星にこの装置を搭載する実証実験を進めており、これにより将来的な宇宙ゴミの増加を抑制する技術として期待されています!

宇宙デブリ防止化装置のグローバル化の展開を強化するために欧州を中心に、フランス・パリに海外法人 BULL  SASを2025年4月に設立されました。

スペースデブリを人工衛星から発射するレーザー光線で除去する。 微弱な出力でスペースデブリを押し出し、大気圏に突入させる。

非接触型で安全な距離から除去ができ、回転しているデブリにも照射が可能


株式会社アストロホールディングス

スペースデブリ除去装置

⁂衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去

ELSA-d

打ち上げ衛星にあらかじめ強磁気性のプレートを装着させて置き、捕獲機を装備した宇宙ゴミ除去衛星で回収、大気圏で焼却廃棄する。

RPO技術(Rendezvous and Proximity Operations):安全な接近・追尾・捕獲を実現。 

2021年に打ち上げ、軌道上での接近・捕獲の成功により、今後の商用展開の基盤を構築し、ELSA-J2へ。

ELSA-M 複数の非稼働衛星を1回で除去

*複数衛星に対応するインターフェースを搭載、再利用可能なサービス衛星として、コスト効率と持続性を両立、欧州宇宙機関(ESA)や英国宇宙庁との連携で開発。

⁂既存の大型デブリに接近し軌道姿勢や詳細を観測

ADRAS-J 高精度センサーによる非接触観測

⁂既存でブリの除去

ADRAS-J2  アストロスケールがJAXAと連携して進めている大型スペースデブリ除去の実証ミッション。前段階のADRAS-Jの成果から、さらに一歩進んだ「実際の除去」を目指すプロジェク:RPO:接近・近傍制御、ロボットアームによる捕獲。

非営利活動グループ  SQUARE SORA  info@square-sora.org

後援:認定NPO法人大阪府高齢者大学校